この事例の依頼主
20代 女性
相談前の状況
依頼者は、勤めていた会社の上司から長年にわたってセクハラを受けており、ご主人と一緒にご相談にいらっしゃいました。上司によるセクハラを社長に直接報告しても会社が適切な対応を取らなかったことから、依頼者は既に退職の意思を固めており、退職にあたり上司に対してセクハラに関する慰謝料を請求したいとのご相談でした。
解決への流れ
事情を詳しくお聞きすると、セクハラを行った上司はもちろんのこと、依頼者から直接報告を受けた社長個人、及び、適切な対応を怠った会社に対しても請求を行うべき事案であると思われました。そこで、退職にあたって行っておくべきことをアドバイスするとともに、依頼者が会社を退職すると直ぐに、上司・社長個人・会社の三者に対して通知書を送付し、慰謝料と逸失利益の請求を行いました。相手方にも代理人が就いて代理人間で交渉した結果、給与(額面)の約1年6か月分に相当する解決金を勝ち取ることができました。
セクハラを理由とする慰謝料請求では、セクハラの証拠が残っていることがとても重要です。依頼者は、セクハラを受けて辛い思いをしている中でも、加害者の発言を録音する等して証拠を残されていました。また、退職前にご相談に来られたため、退職までに集めておくべき証拠についてもアドバイスすることができました。これらの証拠があったこと、また、社長個人が依頼者から直接報告を受けたにもかかわらず会社が適切な対応を怠っていたという事情があったことから、高額な解決金を引き出すことができた事案でした。裁判等の手続を取ることなく、退職からわずか1か月という短期間の交渉で解決することができ、依頼者にも満足して頂くことができました。