この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
会社から、就業規則を新設したとの説明がありました。そして、新しい給与体系に基づくと私の給与は半分程度にまで下がることになると一方的に告げられ、実際に減額された給与が振り込まれるようになりました。どうすればよいでしょうか。
解決への流れ
元の給与との差額部分の支払を求めて訴訟提起しました。会社側からは、相談者の給与が業務内容や地位に照らして著しく高額であり、就業規則の内容に合理性がある等の主張がなされました。これに対し、当方からは、会社への貢献度が高いことや会社の財務状況に照らして減給しなければならないような事情が無いことについて詳細に反論を行い、最終的に満額の支払いを受けることができました。
従業員にとって、会社から給与がいくら支払われるかは生活に直結する極めて重大な関心事であり、雇用契約の重要な要素です。そのため、本人の同意なく、会社側が一方的に減額することはできません。従業員の個別の同意がない場合でも、就業規則の変更等によって雇用条件の変更が認められるケースもありますが、就業規則の内容が合理的であり、かつ、その内容が周知されている場合に限られます。本件では、減給による本人の不利益が大きいのに対し、減給をしなければならないほど会社の財務状況が悪化したわけではないことに加え、減給に対する代償措置もなく、本人への説明も不十分であったため、就業規則の内容に合理性がないという当方の主張が全面的に認められました。