この事例の依頼主
30代 女性
相談前の状況
実家の1階部分を利用して,個人事業主として小さな飲食店を経営していました。夫も会社員として働いていたため,生活費に困るようなことはありませんでした。ところが,その後に夫が職場のストレスが原因でギャンブル依存症になってしまい,夫から生活費をもらうことができなくなってしまいました。飲食店の売上だけでは生活費を賄えなかったので,仕方なくクレジットカードで日用品の買い物をしたり,キャッシングをするようになりました。夫はさらに家庭内暴力を振るうようになり,耐えられなくなったため,夫とは離婚することになりました。離婚して精神的にも疲れ切っていたところに,これまでのクレジットカードの借入の返済も重なり,もうどうすることもできないと思い,弁護士に相談しました。
解決への流れ
弁護士に相談したところ,飲食店の売上が減少傾向にあったことに加え,返済を続けていくことも難しそうだったこともあり,飲食店は廃業して破産手続きをすることになりました。店舗は実家の1階部分を借りていただけだったので,少しでも費用を安く抑えるために,店舗内の什器備品をそのまま引き取ってもらうことを条件に,明渡費用を免除してもらいました。飲食店を廃業してからは,知人が経営する飲食店に再就職することができ,そこで得た給与も手元に残すことができました。また,自己破産手続きをしたことで,300万円あった借入の返済を免除してもらうことができ,生活を再建することができました。
この度は,弊事務所にご依頼いただきまして,誠にありがとうございました。テナントを借りて店舗を営業していると,どうしてもその明渡費用が高額になってしまいがちで,それが大きな負担となってしまい,手続きを躊躇われる方もいらっしゃいます。しかし,複数の業者から相見積もりを取得して,可能な限り低額で明渡をしてもらえる業者を選定したり,今回のように親族が所有する物件を借りているようなケースでは,物件内の什器備品をそのまま残すことで,明渡費用を免除してもらうことができないか交渉をするという方法もあります。もう返済を続けることが難しいと感じられましたら,迷わず弁護士にご相談いただくのが一番だと思います。今回はご依頼いただきましてありがとうございました。